ベツレヘム
イエスの生誕の地として、世界中のキリスト教徒が巡礼に訪れる、ベツレヘム。世界で最も古いクリスチャン・コミュニティーの 1 つによって守られてきた、聖なる町です。
エルサレムからも 8km とほど近く、各地への交通網も整っている為、パレスチナ観光の拠点としても最適です。
聖誕教会やスーク(マーケット)、各地へのバスの乗り場も、中心地である Manger Square から全て徒歩圏内。
ムスリムが 90%を占めるパレスチナですが、ベツレヘムは住民の 35%が、またベツレヘムに隣接するベッジャーラ・ベッサフールは住民の 70%以上がキリスト教徒です。
キリスト教徒の中にも、カトリック・ギリシャ正教・アルメニア教会などの宗派のクリスチャンが共存しています。
クリスマスシーズンには町中にライトアップのデコレーションが施され、街頭コンサートやパレードで賑わいます。イースターの時期も非常に多くの観光客で溢れます。
白い建物で構成されている市街地は非常に美しく、晴天の日には青い空とのコントラストで一際白く感じられます。
町の北側(エルサレムの方向)には、アパルトヘイト・ウォール(分離壁)がそびえ立ち、多くの外国人活動家が残していったペイントも、ある意味必見です。
町のどこかにはバンクシーの絵もあるので、探してみてはいかがでしょうか。
ベツレヘムの歴史
紀元前 14 世紀
石器時代には既に人が住んでおり、エジプトのアマルナ文書に「エルサレムの王が『Beit Lahmu』という町を支配した」と記述されているのが見つかっています。
紀元前 50 年頃
ヘロデ王の時代までには既に町として完成され、イエスの予言によって聖地と見なされるようになりました。
313 年
ローマ皇帝のコンスタンティヌス 1 世が信教の自由を認めるミラノ勅令を発令。
ベツレヘムはキリスト教巡礼者に非常に人気の場所となり、周辺に多くの教会や修道院が建設されるようになります。
326 年
母へレナの助言により、コンスタンティヌス帝が聖誕教会を建設。
11 世紀末~
中世には十字軍の遠征により何度かカトリック諸国の支配下に置かれますが、その間もベツレヘムは巡礼者を受け入れる町として発展し続けました。
19 世紀中ごろ~ 20 世紀
植民地化の波がベツレヘムにも押し寄せ、20 世紀に入るとシオニズムを推奨するイギリスによる支配により、パレスチナ人たちは市民権を取り上げられ、また市長やデモの指導者は国外に追放されました。
現在
ベツレヘムには約 3 万人、周辺の地区や村を合わせると、約 18 万人の住人がいます。
入植地を縮小するという、1993 年の「オスロ合意」にも関わらず、ベツレヘム周辺の土地はイスラエルにより没収され、入植地は更に拡大され続けています。
こういった入植地では、ホテルなどの建設も予定され、ベツレヘムを「イスラエルの観光地」化しようという動きも出てきています。
観光案内所
Bethlehem Tourist Information Center
- Peace Center, Manger Sq.
- 月~木・土 8:00-15:00
- +972-277-6832