ナビー・ムーサ

ムーサとは、アラビア語で預言者モーセのことで、モーセの墓だとされるこの場所には現在モスクが建てられています。

モーセはエジプトからヘブライ人をシナイ半島に連れ出す際に、海を割ってファラオの追っ手から逃れたという伝説のある、旧約聖書やコーランに登場する預言者。

旧約聖書には「モーセはモアブの谷に葬られたが、その場所は誰も知らない」と書かれているため、ユダヤ教徒はここをモーセの墓とは認めていません。

主はモーセをモアブのベテ・ペオルの近くの谷に葬りましたが、その正確な場所を知る者はいません。

申命記 34:6 Bible Gateway

ナビー･ムーサでは、クリスチャンのイースターの時期と重なる時期に、サラディン時代から続くフェスティバルが毎年開かれます。

エルサレムのアル・アクサ・モスクからナビー･ムーサまで練り歩き、ナビー・ムーサでの 5 日間の催しの後にまたエルサレムに向かって歩いて戻ります。

ナビー・ムーサの歴史

十字軍がパレスチナから去った後のマムルーク朝時代に、エルサレムからジェリコに向かう途中のこの場所にモスクが建設される。当時はまだ小さい建物であった。

巡礼者のためのホスピスとミナレット（塔）が増築され、巡礼者が増えるにつれ徐々に大きくなっていく。

オスマン帝国時代に改築が行われ、フェスティバルも帝国の宣伝により盛り上がりを見せる。

第一次大戦後、パレスチナはイギリスの管理下となる。

ナビー･ムーサのフェスティバルが禁止される。

第二次大戦後は、ヨルダン、イスラエルと、支配者が変わる。モスクは軍事基地として利用される。

ようやく巡礼が再開される。

しかしその年の 12 月に第一次インティファーダが勃発。イスラエルが再びフェスティバルを禁止。

オスロ合意が締結される。

再びフェスティバルが行われるようになる。

9 月に第二次インティファーダが勃発。フェスティバルは再びイスラエルに禁止される。

フェスティバルがようやく再び復活。